ロックマンユニティウッチーのブログ : 『ロックマンゼクス』シリーズキャラクターデザイナー、シナリオライター矢部誠(KOU)さんインタビューその④

ノックオン！

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ノックオンは反則でしたウッチーです！

さあ好評発売中の『ロックマンゼロ＆ゼクスダブルヒーローコレクション』

みなさんプレイしてますか？

順番にプレイしていて、いきなり『ロックマンゼロ』が難しく序盤でつまづいている方は

動画付きの攻略記事もありますのでチェックしてみてくださいね。

さてさて、以前公開した中山徹さんに続いてのインタビュー企画。

『ロックマンゼクス』シリーズの
キャラクターデザイナー＆シナリオ担当の矢部誠さんインタビュー四回目！

大長編でお送りしております！

１～３回目を読みたい方は、こちらをご覧ください！

第一回　http://blog.livedoor.jp/rockmanunity/archives/9470485.html

第二回　http://blog.livedoor.jp/rockmanunity/archives/9473520.html

第三回　http://blog.livedoor.jp/rockmanunity/archives/9476288.html

▲楽しそうでしょ、貴重なお話満載でワタクシ楽しすぎでした。

今回は『ロックマンゼクス』に登場するキャラクターについてであります！

ご注意!!

※まだ未プレイの方はもちろん
色々ネタバレを含みますのでご注意ください。

※今回のインタビューはかつてマイカプコンの「カプコン伝説」を
担当していたマッスル氏と一緒に行いました

大丈夫ですか？

ではいきますよー！

■各キャラクターについて

――『ロックマンゼクス』の登場キャラクターについて、
それぞれ思い入れや制作エピソードをお伺いできますか？

★ヴァン

矢部誠氏(以下「矢部」)：デザインは何度も試行錯誤しました。
會津社長から「変身」というオーダーになったときに、最終的には「ロックマンX」の擬人化、ということを想定していました。
無印のロックマンは、ゲームの中などでも、けっこうヘルメットを外した“普段の少年”の姿があるじゃないですか。
それと同じような形、 “苦悩する青年”という印象になる前、ロックと同じような時代のさわやか少年時代の“X”が成立していたら、こういうキャラになるのではないか、というところからヴァンのデザインが出来ました。
髪型は、正面から風を受けてなびいている感じ、
というところからデザインしています。
名前も、フランス語の「風」からちなんでいます。

▲ヴァンのデザイン画と、モデルZXの三面図、初期イラスト。

前回の話題に出た“太もも”も、デザインに落とし込まれています。

★エール

矢部：逆に、エールはヴァンが出来た後に考えたので、ほとんど悩まずに済んだキャラクターですね。會津社長から女性ユーザーに女の子キャラを使わせたい、というオーダーがあって作りました。
髪型は、前から風を受けたヴァンに対して、
後ろから風を受けてなびいた感じをイメージしています（笑）。
名前は、フランス語の「翼」にちなんだものですね。

▲エールの設定画と初期イラスト。

エールはヴァンのイメージが固まってから、女性プレイヤーキャラ、という形で概要が決まっていったようです。

★ジルウェ

矢部：“モデルZ”に変身しつつ、主人公に“ゼロ”の力を託す、バトンを運ぶ役割としてのキャラクターですね。
キャラクターとしては、外見は“ゼロの中の人”的な印象にしつつ、性格は違う形で真逆の“おっとりしたやさしい先輩”というところにして、デザインに反映しました。
普通の少年少女である主人公とライブメタルを運命的に出会わせるカギ、というところで、非合法な仕事もする運び屋“ジルウェ・エクスプレス”の社長、という役割を担わせています。
ジルウェ・エクスプレスは設定上はガーディアンの下位組織なので、
見える部分では三人ですが、もっと所属員がいる…のではないでしょうか(笑)。

名前は、フランス語の「風見鶏」にちなんだもので、ヴァン、エールを導く、という意味も含まれています。

▲こちらはジルウェ＆“モデルZ”の設定と、ジルウェ、“モデルZ”初期イラストです。

“ゼロ”の外見からは離れつつ、“ゼロ”を感じさせるデザインですね！

★セルパン

矢部：過去の「ゼロ」シリーズと対比したときに、コピーエックスやエルピス（青年）、バイル（老人）とは違うボスキャラクターを成立させなければいけない、というところから生まれたキャラクターです。
いわゆる“大人のキャラクター”として正論を振りかざす、
「犠牲を払ってでも世の中は変化すべきだ」という社会正義を貫き、
権力を行使して自分の意図したものを成立させようとする、
“おじさん”キャラクターですね。
もともとのデザインは細身だったのですが、二、三回更新するたびに、
だんだんと体躯がガッチリとしてきました。
名前はサーペント、「蛇」から取っています。
大企業が国・組織を飲み込む、という意味を込めています。

▲セルパンのノーマル、変身第一、第二形態。

権力を手にした“大人の手ごわさ”が、力強く表現されています。

★プロメテ＆パンドラ

矢部：シリーズで一番デザインに苦労したキャラですね。
『ゼロ』でいう四天王キャラの立ち位置で。
今回、ライブメタルのモデルH,F,L,Pがあるので、ロックマンゼロ四天王の要素・色味が使えない、ということが前提にありました。
そこで試行錯誤したうえで“死神”“魔女”をモチーフにしました。
ちなみに“プロメテウス”、“パンドラ”とギリシャ神話をモチーフにした名前になっていますが、土星の衛星の名前から引用して、出典となった神話も調べて命名しています。
そのコンセプトは、『ロックマンゼクスアドベント』のボスキャラも同様ですね。

――パンドラはてっきり“パンドラの箱”から最後に出た“希望（エルピス）”とかけているのかと。

矢部：あっ！　それいいですね！　
そういうことにしておきましょう！（笑）。

▲プロメテとパンドラのイラスト。

当初はアビゴ－ル、ユフィールという名前だったそうです。

★プレリー

矢部：けっこう二転三転した末、現在のデザインに落ち着きました。
キッチリした制服等で“しっかりした指導者・指揮官”であるところを表現しつつも、
内面は“少女”の側面を残している。
プレリーの部屋は、背景担当の人が暴走して(?)デザインしてくれたのですが、いろいろと遊んでくれた分、「司令官」と「少女」という二面性を持つ、
彼女のキャラクターを掘り下げたものになっているかと思います。

▲元(?)の雰囲気を残しつつ、“しっかりした司令官”としてデザインされています。

はい！今回はここまで！

次回はいよいよ最終回！
近日公開予定です。

『ロックマンゼクスアドベント』の開発秘話、一挙公開！

お楽しみに！！

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矢部誠（KOU）profile

『ロックマンゼクス』キャラクターデザイナー＆シナリオライター。
別のゲーム会社勤務を経て2003年株式会社インティ・クリエイツ入社。
『ロックマンゼロ』シリーズは「2」より参加。現在はフリー。代表作『ロックマンゼクス』シリーズほか。
TwitterID：@ SESKOU（https://twitter.com/SESKOU）