メットール!
そろそろインナーを夏用から冬用にしないとちべたくて風邪をひきそうなウッチーです!
さて前回に引き続き
「ロックマン30周年記念ジャケット M-65」
ワタクシが制作に参加させていただいている30周年記念アイテムの
制作レポート第2回となります!
▲真面目にやっております
前回の記事はこちら
タイトルは「コダワリのアナログ」です。
モノ作りをする方は特に面白いと思いますよ!
ではいってみよー
ジャケットを制作してくれているメーカーさんから
プロジェクトに加わっていただいている「O西」さんと「Y崎」さんの2人
今回はミリタリーアパレル界では実は有名人の
デザイナー「Y崎」さんの超コダワリポイントを紹介します。
前回お知らせした通り
このM-65は元々軍用のジャケット
デザインとしていろいろな所に
文字をプリントで配置しているのですが
こことか(袖)
ここなど(背中)
▲書いてある文章のチョイスにもコダワリがありますがそれはまた別の機会に
この文字、イメージ画像でもちょっとムラの様な
加工がしてあるのにお気づきでしょうか?
米軍を代表するM-65ジャケットがベースなので、
プリントもミリタリーらしく「ステンシル」風で行こうと言う事になりました。
さて、ステンシルとは何でしょう?
画を描いたりデザインをしている方はご存知かもしれませんが
ここはY崎さんに画像付きでご説明いただきましょう。
※斜体太字はY崎さんのコメント、写真のキャプションはウッチーです。
■ステンシルとは
米軍の戦車やジープ、弾薬箱などに
「U.S.ARMY」などとスプレーされた物を見た事があると思います。
米軍では簡単に識別できるようスプレーで文字を吹き付けますが、
この時の手法がステンシルです。
(ウ:戦争映画を観た事がある方は一度は目にしているかも知れませんね。
こういった文字や記号の「型紙=(ステンシル版)」は
画材屋さんに行くと、絵葉書を作るコーナーや、布に自分で
プリントをするコーナーなどで見かける事もあるかも)
米軍ではステンシルマシンで厚紙に型を抜き、さまざまな物に塗装します。
(ウ:思わず「ステンシルマン」と読んでしまいました。)
今回はステンシル技法を使い、
ロックマン専用のオリジナル文字でステンシル版を作製し、
ジャケットにプリントします。
なるほど!オリジナルでステンシルフォントを作ってプリントするんですね!
とここまでは想像の範囲内だったのですが・・・
この先のコダワリが凄かったんです。
では続きを!
1)まずはパソコンで原型のレタリングを作成。使用する文字はロックマン専用レタリング。
紙で出力する際は大きさの異なる数パターンをプリントアウトして大きさを決めます。
▲PC上でフォントをデザイン
▲紙にプリントアウトします
ふむふむ、この段階でステンシル独特の切り欠き(フォントのスキマ)を作成するんですね。
2)実際のM-65ジャケットに当てて大きさを決めます。現物合わせですね。
これはすごく大事な事で、頭で考えるイメージと実際のプリントは見え方が違うので、外せない行程です。
プリントカラーによっても仕上がり感が違いますので、そのあたりも考慮して大きさを決めます。
▲実際にあててみています(このオリーブ色の服が実際のM-65)
ワタクシもTシャツのデザインをする時は必ずやりますコレ
実際あててみての印象が大事ですからね。
(ちなみにTシャツの場合S~XLまで同じ印刷版を使うので、そこも考えて大きさを決めてます。)
3)今回は薄いプラスチックシートで作成します。
▲?!
ん?
決めた大きさのプリントに沿って
シートを切り抜いて行く地味ですが神経を使う作業です。
▲カッターでなんか切ってますけど
ちょ・・ちょっと待って?
アナログ?大きさ決めたらもうデジタルで終わりじゃなくて・・・
本当にステンシルを作るの?
『ロックマン専用のオリジナル文字で
ステンシル版を作製し』
って!そ、そう言う事か!
ステンシル作成はある程度の器用さと慣れがないとうまくいきません。
そりゃそうでしょ!
4)背中用も進行します。こちらも現物合わせで大きさを決めます。
▲少しの大きさの違いでかなり印象が変わってくるんです
数種類の大きさの中から大きすぎず、小さすぎず、ベストなサイズに決定します。
方眼のカッティングマット上で作業します。
この時すべての方向を方眼に合わせて直角で作業します。
決して適当な角度で置いてはいけません。
あとあと微妙なずれが出たり良い事がありません。
▲几帳面な性格じゃないと向いてない作業=ウッチーは無理
5)背中用も同じようにカッティングしていきます。
ステンシルの特徴は文字がすべて
台紙に付いた状態で読める所にあります。
文字の中(たとえばAやB、Dなどの中)が抜けおちないよう
各所に筋が付くのがステンシル文字の特徴です。
▲この文字に入れる筋には決まったフォーマットは無く、デザイナーのセンスによる所が大きいそうです
この作業で一番気を付ける事は、とにかく手を切らない事です。
・・・気をつけてY崎さん!
6)胸の数字も同じように作業します。
こんな感じに切り出せました。
▲こんな感じに仕上がるんですね
すげえ!
7)次はいよいよ塗装です。
数種類のハンドピースからで作業しますが、
今回はミリタリーを再現するため敢えて缶スプレーを使用します。
ミリタリーのワイルドさが出るでしょう。
塗装する対象物の上に作成した版を置きます。
今回は厚紙と布の2種類に塗装して良い方を使う事にします。
▲白い部分に切り抜いたシートが置いてあるのがわかるでしょうか
この時作業中で平行・垂直を出して起きた事が活きてきます。
ここでも2種類の素材に塗装してみると言うコダワリが・・・
8)スプレー塗装の際は必ずマスクを使用します。
塗料の掛りやすい左手には使い捨て手袋を付けて作業開始。
紙に塗装した写真。
納得する出来になるまで何度も作り直します。
最初の物を見て、版に不具合がある時は修正します。
▲念を入れて塗装をし過ぎても濃くなりすぎて読みずらくなってしまうのだそうです
このあたりは経験と勘と根気の作業!大変
布地にも塗装して感じを見ます。
▲素材が違うとけっこう雰囲気が変わってきますな
塗装は全てそうですが、一気に厚く吹き付けるのは厳禁です。
薄く調子を見ながら何度も薄く吹くのがコツです。
▲この辺はプラモも同じですよね(なんかこれ見てたらプラキットのロックマン作りたくなってきた)
そして!
今回は紙よりも布地に塗装した方が感じが良いので、
こちらを使用しようと思います。
▲どのくらいの時間がかかったんだろう・・・
イイカンジ!
9)この後パソコンに取り込んでデータ処理します。
この写真はデータ化する一歩手前の物です。
これを製版して量産品の版を作って行きます。
Y崎さん、ありがとうございました!
どうですか!?
この異常なまでのコダワリ
最終的にはこのデザインをデジタル化して
プリントの版にするのですが
デジタル→アナログ→デジタル
と言うかなり面倒な手法を使っています。
アナログ(手作業)でしか、出てこない風合いって絶対あると思いますが
実際ここまでの工程で制作しているとは思わずかなりビックリしましたよ!
打ち合わせをしていて判明した
このステンシルの制作工程は特に衝撃だったので、Y崎さんに
「ええっ?!そんな事してたんですかー!?」と叫んだあと
「写真撮っておいてください」と即言ってしまったワタクシ・・・
・・・
Y崎さんの仕事増やしてんじゃん!
(ホントスミマセン)
でもデザインイメージだけでは伝わらない
部分を少しでも知っていただこうと思い、
今回のレポートを制作してみました。
(高い買い物ですしね)
いかがでしたでしょうか?
まだまだ他にもあるのですが、今回はここまで!
「ロックマン30周年記念ジャケット M-65」は現在予約受付中です!
お届けは2017年12月15日予定!
自信をもってお届け出来る様に頑張ります!
予約しておかないとかなりの確率で手に入らなくなると思いますので
欲しい人はお早めに!
Sサイズはこちら
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ちなみにこちらのアイテムはミリタリーサープラスファントムさんの
ファントムAKIBAラジ館店でも発売予定です!(このあたりはまた今後詳しく紹介します)
▲知る人ぞ知るロックマングッズが満載のお店(個人的にはメ○ルのシューズが気になる)
http://www.phantom-web.com/
-オシラセ-
ロックマン7~10が収録!!
『ロックマン クラシックス コレクション 2』
好評発売中!!
http://www.capcom.co.jp/RCC/2/
ロックマンユニティーのtwitterはこちらから
@ROCKMAN_UNITY
こんな丁寧に作ってたんですね…!アナログも大事なんですね(* ´ ▽ ` *)
私職場でしょっちゅうカッター使ってますが、やっぱ苦手で、こーゆー丁寧な作業できる人が羨ましいです…!!( ´∀`)
ほしいなぁ…!