メットール!
「ロックマンX」シリーズ20周年を
記念して制作された究極のCD-BOX
「ロックマンXサウンドBOX」
▲手に入れましたか?
大人気で、一時期各所で品薄状態でしたが
今は再出荷で復活しているとの事。
一般のCDショップにも置いてあると思いますので
探してみてください!
(無ければお店で取り寄せるのもアリですな!
省略して「エックスのボックス」って言うと別のものになっちゃうので注意)
もちろんイーカプコンでも販売中です!
さて!その発売を記念してお送りしている特別企画!
これまではロックマンX初代コンポーザーの「SETSUO」こと山本節生さんにお話を伺いましたが
今回からは「ロックマンX サウンドBOX」で初CD化となったゲームボーイ版
「ロックマンXサイバーミッション」「ロックマンX2 ソウルイレイザー」の内、
2作目にあたる「ロックマンX2 ソウルイレイザー」のサウンドを
担当された高野充彦さんインタビューです!
▲元ROCK-MENのリーダー高野さん、久々にお会いしてテンション高いウッチー
高野さんと言えばカプコンサウンドチームのスペシャルユニット
「ROCK-MEN」のメンバーとして活躍され、現在はホッキョクメン?
として活動されているとかされていないとか?
ポッドキャストでも、抜群のトーク力で楽しませてくれた高野さん、
さてさてどんなお話が飛び出すのか?
ではいってみよー!
▲よろしくお願いします。
ウッチー(以下「ウ」)「と言う事で改めまして、遥か北極の地から・・・」
高野さん(以下「高」)「北極からね」
CD化担当T瀬さん(以下「T瀬))「結構遠方から!」
高「ゼーゼー言ってます(笑)」
ウ「ピコピコマエストロこと高野充彦さんにお越しいただきました。
よろしくお願いします!
まずはプロフィールと担当された作品を教えていただきたいのですが」
高「Xシリーズでは「ロックマンX2ソウルイレイザー」を担当させてもらいました。ロックマンシリーズと言う意味では「ロックマンエグゼ5」の移植で5DS(ツインリーダース)と「流星のロックマン」の「1」で3曲くらい担当して、それが仕事として作曲した最後じゃないですかね。流星2からはマネージャーとして
参加しているので作曲はしていないんです。」
ロックマン以外だと『戦国BASARA2』とか、『ジョジョの奇妙な冒険 【黄金の旋風】』とか
『ゼルダの伝説ふしぎのぼうし』を担当されたそうです。
ちなみにゲームの音楽ではありませんが「ROCK-MEN」として1曲参加されております。
ROCK-MENデビューアルバム「We are ROCK-MEN!」絶賛発売中!
ウ「おお!今なぜか大人気で入手困難の5DS!」
高「5DSはサントラが出ていないんですよね、一応本に同梱する形で
エグゼ6と一緒に一部の音源はCD化されていますけど」
※「ロックマンエグゼ5DS&6音楽大辞典」こちらも現在入手困難
ウ「では未収録の音源もたくさんあると」
高「まあ、気に入った曲はほぼ入れてもらえたので、良いかなと思ってます。
逆に全曲入っちゃうと気まずいものが(笑)」
ウ「ええー(笑)」
高「1週間で3曲作らなきゃいけなかったんで・・・」
ウ「えええー(驚)」
高「やっぱり繰り返し聴く曲(バトルとか)の
クオリティを上げないといけないと思って、そこに時間を使って。
秋原町の曲なんかはしょっちゅう聴く事になるのでクオリティ重視で作りましたね。
1回しか鳴らない曲とかは・・・まあ。
以前先輩に「どうすればヒーローっぽい音になるか」を色々勉強させてもらって、そのノウハウが5DSには生かされています。
エグゼ6の青木佳乃さんに『それどうやってるの?』と聞かれたりしました。
『ヒミツです!』って言いましたけど(笑)」
T瀬「企業秘密よりも狭い…」
ウ「企業内秘密だ!でもそうなると全曲聴きたいですよね」
高「いやいやいや(汗)、もう気に入った曲は全部入ってるので(笑)
是非実機で聴いてもらえればですね、それからダブルスロットの企画が
(DSのGBAスロットに旧作エグゼのカセットを差すと戦闘曲が変わると言うイキな仕様)最後の方に出てきて、あれが楽しかったですね。「1」「2」「4」を担当して、「1」を映画の「マトリックス」っぽいと言うか「デビルメイクライ」っぽくアレンジしたんでデビルの曲を作った柴田(徹也)さんに聴いてもらったら、感想が…
『うん』
ってそれだけかい~みたいな」(一同笑)
ちなみに「ロックマンX サウンドBOX」と同時発売された
「デビルメイクライ サウンドBOX」も絶賛発売中であります!
「デビルメイクライ」も名曲揃いですから!
しかもめちゃめちゃお買い得!
高「ROCK-MENのポッドキャストでも話したんですが「4」のアレンジは変えすぎて、
品質をチェックする部署に「曲が違います」って言われて
ある程度戻したりもしました(笑)」
ウ「わはははは」
高「サントラには戻す前の曲も2ループ目に入ってますので聴いてみてください。」
ちなみに「ロックマンエグゼ5DS&6音楽大辞典」のブックレットに高野さんによる開発日誌が載っています、めちゃくちゃ面白いので持っている人は読み返してみると良いかもしれませんな。
高「全然エックスの話になってない・・・すっかり5DS秘話になっちゃいましたね。」
ウ「いやー全然オッケーかと。ではここからが本番ですね!
「ロックマンXサウンドBOX」の実物を見た感想などを」
高「いやーこれはやっぱり関わらせてもらったスタッフも嬉しいですし、
ファンの方も絶対嬉しいですよね!」
T瀬「メディアさんやブログなどでも、沢山話題にしてもらえました。」
高「ですよね、いろんな所に掲載されていてすごいなーって思いました。」
T瀬「曲数が498曲」
高「ぅうわスゴイなー!
ぶわははははは(あまりの曲数に思わず爆笑してしまう高野さん)」
T瀬「その一端を高野さんも担ってるわけですよー。」
高「そうですよねー、いやー圧巻です」
ウ「うははは、自分もディスク12枚を目の当たりにしたとき凄すぎて笑っちゃいました。
ロックマンX2「ソウルイレイザー」を担当したのは入社して何年目の事でしょうか?」
高「たしかカプコン入って2年目くらい?だったかな、元々アーケードの部署に入って「マーヴルvsカプコン2」をやった後、これはライナーノーツにも書いたかもしれませんがロックマンがやりたくて当時はコンシューマは別部署だったんですが、『やらせてください』とお願いして。」
ウ「へえー当時はアーケードとコンシューマの線引きはしっかりしてたんですよね。
なかなか珍しいケースじゃないですか?」
高「確かに線引きはしっかりされていたんですが、ことサウンドに関しては自分から
「このタイトルがやりたい!」って言えばちゃんと検討してもらえる環境でしたね。」
ウ「そうだったんですね。あ、ライナーといえば、非常に濃いライナーを・・・」
高「文字数マックスまで使って。」
T瀬「今回、ライナーノーツは800文字以内をメドに、と依頼させて頂いていたんですが、高野さんのライナーを文字数カウントツールで調べたら本当にキッカリ800文字で(笑)
でも、そのあと他の方のライナーノーツとの表記統一を取らせて頂いたので、実際の掲載文字数は少し変わってしまいましたが(笑)」
どのようにソウルイレイザーで楽曲のアプローチをしたのかなど、みっちり文字数いっぱいまで書かれた高野さんのライナー必見です!ワタクシウッチーのライナーは見のがしてください。
ウ「そんなこんなでライナーの文章が途中で終わってるんですが『矩形波2音の…』の先はどんなコメントが続いたのでしょうか?」
高「そうそう!ウッチーさんそれ質問しますからねって聞いていて、
昨日ライナーを読み返したんですが・・・」
ウ「・・・」
高「・・・実は。」
T瀬「・・・(ゴクリ)」
高「いったい何を書こうとしたんだったか・・・。」
▲!!
一同爆笑
ウ「うわはははははは」
高「書いた後にけずったので何かは書いたんですけど・・・
矩形波2音の何かがあったんでしょうね。」
ウ「じゃあもうそこは皆さんの想像力におまかせですね。
あ、矩形波といえばGBのサウンドスペックや音の出し方など制限のある中で、
制作はどのようにされていたのでしょうか?」
高「矩形波2音・・・矩形波2音(まだ考えている)・・矩形波・・・2chめがSEになるんですよ。えーと」
ウ「お!ピコピコマエストロの授業が始まる!」
ch1 パルス=矩形波(メロディー)
ch2 パルス=矩形波(その他ハモリなど、SE)
ch3 サイン波 (ベース)
ch4 ノイズ(ドラム、爆発音)
高「こんな感じで2chめはSEメインのチャンネルなのですが、
SEを出したとしてもメイン(1ch)のメロディーはある程度残るようになってます。
2ch両方使って効果音を出すとメロディーは死んじゃうんですけどね。」
ウ「なるほど、今ちょうど「ソウルイレイザー」をプレイしているんですが、
ショットのチャージや連射をすると曲の印象がだいぶ変わりますよね。」
※3DSバーチャルコンソールで絶賛配信中!実際にプレイしてCDと比べてみよう!
【紹介記事はこちら】
「ロックマンX2 ソウルイレイザー」前編
「ロックマンX2 ソウルイレイザー」後編
高「はいはいそれはまさに、ch2めをSEに使っちゃうからですね。あとライナーにも書きましたけどサイン波(ch3)を使ってベースを出るようにしたのですが、ここの音量はスペック上変えられないので他の音を小さくしてベースを引き立たせる様にしているんです。
なのでトータル的な音量は前作「サイバーミッション」より小さくなっいてますが
ボリュームを調節してちょうどいい大きさにして聴いてもらえるとベースが効くようになってます。」
※そのあたり同じGBの「ロックマンXサイバーミッション」と聴き比べると面白いかもしれません。
どちらも3DSバーチャルコンソールで絶賛配信中!
【紹介記事はこちら】
「ロックマンX サイバーミッション」前編
「ロックマンX サイバーミッション」後編
ウ「SFCと比べると?」
高「やれることは少ないですね、ハモるか裏メロを取るかくらいしかないので、いか
にお休みをせずに何かをやらせて音の厚みを出すと言うのがテクニックです。」
ウ「SETSUOさんも仰っていましたが、パズルのような作り方をする思考がいると言う。
(チャンネル)4つしかないんですよね。」
高「SFCは倍の8chありますからね。あとFC、GBシリーズは音源がPSG音源で、SFCはPCM音源と呼ばれるサンプリングの音なのでSETSUOさんの曲はリアルな音が鳴ってると思うんですけどね。」
※PSG=プログラマブル・サウンド・ジェネレーター、
電子回路で音を作る音源、DSにも搭載されていますが殆ど使う事はないそうです。
これに対してPCMはパルス・コード・モデュレーションの略、
サンプリングが出来て生音に近い風合いが出ます。勉強になるなあ。
ウ「その差は結構大きいですよね!」
高「そうですね、生音が使えるのと使えないのではだいぶ差があります、でも曲の印象を変えたくなかったので元の曲をうまく解釈してPSGに落とし込む、みたいな感じだったと思います。」
ウ「そうなんです!「そうそうこの曲!」と思いつつ、でも「これってゲームボーイなんだよなー」なんて考えたりしました。
根っこの音源の形式から違う中、同じ曲を印象変えずに再現するのは大変なのではないかと!
さすがピコピコマエストロ!そのあたりはやはりテクニックですか?」
高「いやー、そんな大層なモンじゃないですけどねーははははは。」
T瀬「1音~2音減るのではなくて、半分じゃないですか?!」
恐るべしピコピコマエストロ!
ウ「あとは音を左右に振れると言うGBの特性も使って・・・」
高「そうですね、FCがモノラルだったんですがGBはステレオなので、
あとカプコンのサウンドドライバー(音を鳴らす為のプログラム)がイケてたのが、
GBもスピーカーはモノラルなんですけどちゃんと左右が混ざって出るって言う仕様になっていて、スピーカーとヘッドフォンどちらで聴いても成立するように作ってます。」
ウ「そう言えば常にヘッドフォンでプレイしていたので本体スピーカーで聴いた事ないです」
高「また違うおもむきがありますよ、本体、筐体が鳴るんですよね。」
ウ「?スピーカーではなく?」
高「スピーカーって箱でしょ?GBの本体の空洞部分を込みで鳴るので
若干中低音がふくよかになるので、イヤフォンで聴くのとはまた違う風情がありますね」
T瀬「GB本体をスピーカーとみなす!」
ウ「ほほーぉナルホド~これは面白いお話が、そう言えばGB作品にはスピーカーで遊ぶか
ヘッドフォンを使って遊ぶかの選択項目があるゲームが多かった気がします。
当時は何でこんな項目があるんだろ?と思っていましたがその辺色々あるんですね~。」
はい!と言う事で今回は、ここまで!
いかがだったでしょうか?
ピコピコマエストロ高野さんのお話はまだまだ続きます!
次回は高野さんが当時の貴重な資料をお持ちでしたので、
その辺りのお話を伺います!
と言う事で!
全12枚組
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-オシラセ-
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