ウッチーでマス!


ゲームミュージック好きならば絶対聴いておきべき1枚
「ロックマンエグゼ トランスミッション サウンドトラック」
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音楽を制作された株式会社スーパースィープの


“めがてん細江”こと
細江 慎治さん

サウンド番長
佐宗 綾子さん

サウンド部長
安井 洋介さん

のお三方にお話を伺ってまいりました!


その1はこちら
その2はこちら



最終回はライナーに書かれていた
当時の環境についてやメッセージをいただきました!

ライナーより)
「これを作っていた頃は、まだハードウェアの楽器で・・・」
「全編ハードウェアの音源で作った最後の曲たち」

と言った事が書かれていて、そのあたりについて聞いてみました。
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ちなみにライナーの裏表紙には、それぞれが制作に使用された機材が
スタッフロールのごとく書かれていて、自分はチンプンカンプンながら
音楽を作る方にはたまらないのでは、と思っておりました。

そもそも「ハードウェアの音源」「ソフトウェア音源」と言うのが・・・
無学なワタクシよくわからないので
そこからなのですが・・・。


「例えばピアノの音源だったらピアノ自体が必要ですけど、
それら全てがPCの中に入っている、と言うのがソフトウェア音源です。」
と分かりやすく細江さんが
説明してくださったあと


「まさしく電脳化ですね」と佐宗さん

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なるほど!ハードウェア音源の場合はそれぞれの
音色ごとに機械が存在すると言う事なのですね。

そこで細江さんからハードウェア時代の衝撃エピソードが
メガキャノンのごとく
飛び出したのでありますよ!






細「当時この会社には4人しかいなかったんですが、


4人でもブレーカーが落ちる





安「・・・機材が多すぎて」

佐「電力足りないっていう」



!!!

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▲この話をしている皆さんがすごく楽しそうでしたよ(当時は大変だったと思いますが)


今ドライヤー使っちゃだめよ!的な?と冗談で言ってみたら

佐「本当に電子レンジと暖房禁止でした!」


そこでカプコンCD担当T瀬氏が
「それだけ機材があると機械熱とか凄いんじゃないですか」と聞くと


安「夏場はもう・・・上は裸で

ほぼパンイチ!ここはいったいどこの海の家だい?くらいの恰好でウロウロしてました」


この時ウッチーは命の危険を感じるくらい
笑いすぎて呼吸困難になったと言う。

エアコンもちろん禁止、扇風機は熱風をかき混ぜる装置として機能し
結果、人間よりも機材が先にダウンすると言う当時の状況だったそうです。
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ブレーカーが落ちるどころではなく「焼き切れていた」と言う事件もあったとか!?



ブレーカー焼けるってどういう事!!



安井さん曰く、当時トランスミッションの打ち合わせは、
まさしく今インタビューをしている
ここで行われたそうですが、
季節は・・・夏!
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ステージで言えば「トランスミッションの跡地」と言った所ですが
現場は「火事のインターネット」状態だったに違いない!

今はモニターも液晶に代わり(CRTモニタって電気食うんですよ!と佐宗さん)全てPC内で完結する
ソフトウェア化が進んだ事で、(もちろん電気工事も入ったそうですが)今は10人以上いても大丈夫と言う時代の変化を感じる良いエピソードでありました。


もう一つハードウェア音源時代のお話としては

それぞれの機材にパートごとの曲データがセーブされるのですが
細江さんはセーブをする習慣がなく
曲が出来あがるまで機材を全部つけっぱなしにしていたそうです。

なのでたまに間違えて電源切っちゃうと

細「ああ!無くなっちゃった!」と言うハメに・・・
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▲ショック!

その時安井さんから
「一期一会的な曲作り」という名言が!

佐宗さんも同じく
「セーブ機能は使っているんですけど、変な所に書きこまれたりとか、余計な所触っちゃたりとか、
もちろんセーブしたつもりがすっかり忘れてて・・・いなくなってたりとか!
だから曲が出来るまで電源切れなかったですね」と。

と言うのもハードウェアのメモリにセーブすると言う事は
当然音源機材分の数だけセーブをする作業が発生するわけですね。
10台以上の機材それぞれセーブして電源切って・・・


なるほど!それは忘れそうだ!

そこで生まれた「電源つけっぱなし作戦」


有効ではあるものの
ブレーカーが落ちる原因を垣間見るエピソードでありました。



細「古い楽器などは電源入れても30分くらい
安定しないと言うのもありましたしね」



なるほどー。

昔ウッチー家にあった
「電源を入れてから15分くらい経たないと画面が写らないテレビ」を思い出しました。

ハードウェアとソフトウェアについて話をする中で安井さんは

当時の限られた容量の中でどう作っていくか?と言う環境

PCで曲が作れて何ギガでも使える現在とでは目指す方向が違っていて、
リッチな音は出せるんですけど当時工夫して出していたようなチープな音が逆に出ない

それが音の個性になっていると考えていて、
なので(トランスミッションの音は)
「今の機材では同じような事は出来るけれど
今に比べて音の説得力みたいなものがあるんじゃないかと思います。」
と語っていたのが凄く心に残りました。
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佐宗さんは特にハードウェアにこだわりはなく、ソフトでも一緒じゃないかと思っていたそうですが
実際今回のCDを聴いてみて、「あれ?ちがう?」とやっぱり楽器特有のクセとか個性があると思ったそうです。


「ファミコンも制限があったから
当時のロックマンはあの曲達が生まれたんだと思います。
あれに制限がなかったら普通のサントラになってたかも知れないですね。」
と安井さん


当時の機材、当時の思いや考え方、当時のブレーカー

それこそが一期一会で作られたこの
トランスミッションなのではと思いました。

と言うことで最後に皆さんにメッセージをいただきました。

安井さんより:

最近少なくなってきましたが
アクションゲームやシューティングゲームが昔から好きで、トランスミッションに
関われた事がすごく嬉しかったです。

僕自身もゲームミュージックに
影響を受けた少年時代を過ごしていたので当時子供で遊んでいた方々が
「この曲カッコいい」「この曲好き」と思ってくれて
今もトランスミッションのサントラが欲しいと言ってくれているのが凄く嬉しいですね。

後半に行くにしたがって「とても子供向けとは思えない」曲が出てきますが
ある種突き放してでも媚びずに曲作りをしていたので、変拍子とか分からなくても
ゲーム音楽って良いなと感じ取ってくれればと思っていました。

昔遊んだ方も、今また遊ぶ機会があれば
アクションゲームのノリノリなゲーム感とゲーム音楽を楽しんでほしいです。

あと外で聴くのであれば歩きながらとかジョギングしながらとか
曲のテンポに合わせてスピードを変えたりして聴いてもらえたら嬉しいですね。

との事でした。

安井さんは結構こういう感じで外で音楽を聴かれるのだそうです、かくいうウッチーも
そのタイプであります。急にダッシュしたりとかするから危険ですが!


そこで佐宗さんが「全体的に小走りになりますよね、これだと」と(笑)

安「裏拍を感じながらとかしてくれたら作曲者冥利に尽きます!
あと変拍子をいかにカッコよくとか(笑)」

む、難しい!!



変拍子とかどうなんるだろう・・・。


佐宗さんより:

当時知り合いの息子さんが遊んでいて、でも難しいじゃないですか?
相当苦労していたその子が
『え?お姉ちゃんがやってるの!?だったらボクがんばる!』って言ってくれて、

そんなあの子も立派な高校生くらいになってるのかな?そんな思い出や・・・

今では凄い仲良しですけど、当時は全然面識なかった
海田明里ちゃん(エグゼシリーズ、近年ではロックマン9.10にも参加)が新人の時に
作った曲を私がアレンジしてたりとか(熱斗の部屋)びっくりした事もあったりと
知らず知らずにコラボが成立してたりするアルバムになってます。


時間は掛かってしまったけれどCD化されて嬉しいですね。



ええハナシやー!


細江さんより:

このトランスミッションはシリーズの中でも異色作だと思っていて
「ロックマンらしさ」と「自分たちらしさ」を
どうやって融合させるのかを凄く考えました。


出来あがった曲は両方うまく出ていて面白く、良い思い出が多い作品だったので
それが世に出る事になったのは非常に嬉しいですね。


これを機会にゲームにも興味を持ってくれると嬉しいです。



・・・今の人達には…ちょっと難易度が高いかも知れませんが・・・




ウッチー「特に序盤がね!!」

皆さん長いお時間ありがとうございました!
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▲ホンキで嬉しいウッチー!夢のようなショットでございます。



子供の頃聴いた曲ってすごく大事だと思いますね、色んな曲を聴く事で
大人になった時にどこかでそれが繋がってくると思います。

3人のお話や掛け合いを見ているととても良い雰囲気で
(もちろんプロフェッショナルですが)部活の先輩後輩的と言うか
楽しみながらお仕事をしていると言う印象でした。

3回に渡ってお送りしましたインタビュー、いかがでしたでしょうか?


そんな
「ロックマンエグゼ トランスミッション サウンドトラック」
絶賛発売中です!
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こちらで試聴もできます!

当時を思い出しながらゲームを遊びながら聴いてみてはいかがでしょうか?







-オシラセ-

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